冥王星は「抗えない力」との遭遇と言われるように、自分の意志ではどうにもできない事象で価値観や生き方を根底から変容させていく。
ネイタル(自分のホロスコープ)の冥王星と現在運行している冥王星(トランジット)とスクエアの角度をとるミドルエイジクライシス時期(約30代後半から40代半ば)は、今までの経験、価値観、自分をまるっと手放さざるを得ないようなハードな体験をする。
自分の人生の本気度が試され、積み上げてきたものへの執着を持っていようものならことごとく打ちのめされる。
冥王星の深い愛と言われるその現象は、渦中にいるものにしては「深い愛だなぁ」なんて余裕は一ミリもなく、これはいつか終わるということさえ気づかない。これからこの年齢域に達する人には言いたい。「冥王星の終わりは必ず来るから」と。
(冥王星や海王星、天王星が自分のネイタイルのトラサタにスクエアする「ミドルエイジクライシス」については、またいつか文章にするとして。)
自分のネイタルのホロスコープにおいて、冥王星が移動した場所は徹底的な破壊と再生、変容が行われるということは自分の人生を振り返るとわかる。冥王星は一つのサインをゆっくりを20年かけて移動するので、その影響は非常にゆっくりとジワジワ届き、避けることができない。
私のネイタルでは、20代前半からトランジット冥王星が私の7ハウス領域にそしてそこからジワジワと8ハウスへ。約20年の歳月をかけて9ハウスへ抜けていっている。この領域をウロウロされていたこの20年は振り返ると「もう2度と元の自分には戻ることができない」体験を繰り返した。
冥王星が圧をかけてくるテーマについてどう凌ぐかは(避けられないので)、自分と深く向き合う、失うことに執着しない、本質に回帰するチャンスだと捉えるといい。とはいえ、そんな俯瞰できたら苦労はないよなとも思う。ただ、これだけは言いたい。しっかりとその時期を生き抜くことで視野が広がり、スキルが上がり、本気で若い時には味わえない「深み」が増すのは本当だ。どのハウスの上を通過されるか、その感じ方はそれぞれではあるが。
ホロスコープに向き合い知ることができる情報はたくさんある。占いは自分の今いる世界を隅々まで快適化できるツールだ。感情や直感に頼らずとも冷静に分析して課題をみつけては、しのごの言わずにやる。ただ冥王星の圧は圧倒的で(海王星や天王星も然り)、選択肢はやるしかないという状態に近い。ジワジワと20年かけてとはいうものの、断続的にひたすら圧を受け続けるというような現象ではなく楽しさがあったのも事実なので、時には楽観的になって外圧強め時期を超えて行って欲しい。私の冥王星の圧は次は9ハウス・・・。